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文献概要
遺伝子治療の最前線・6
CEA遺伝子発現制御領域の癌遺伝子治療への応用
著者: 大崎匡1
所属機関: 1大阪大学医学部内科学第3
ページ範囲:P.1595 - P.1598
文献購入ページに移動はじめに
従来から癌治療に用いられている化学療法や放射線療法は癌細胞と正常細胞の増殖の差を利用したものであり,癌細胞に対して特異性が低い.その結果,正常細胞への副作用が強く,投与量が限られることから,これらの治療法に対する獲得耐性の原因ともなっている.癌胎児性抗原(carcino-embryonic antigen:CEA)遺伝子のように,正常細胞には発現していないが多くの癌細胞に発現している遺伝子の発現制御領域を用いれば,目的の遺伝子を癌細胞だけに発現させることができ,これを遺伝子治療に応用すれば癌特異的な治療法の開発が可能である.本稿ではCEA遺伝子の転写制御部位を含めた構造,機能を概説し,筆者らが取り組んでいる肺癌に特異的な遺伝子治療への応用を紹介したい.
従来から癌治療に用いられている化学療法や放射線療法は癌細胞と正常細胞の増殖の差を利用したものであり,癌細胞に対して特異性が低い.その結果,正常細胞への副作用が強く,投与量が限られることから,これらの治療法に対する獲得耐性の原因ともなっている.癌胎児性抗原(carcino-embryonic antigen:CEA)遺伝子のように,正常細胞には発現していないが多くの癌細胞に発現している遺伝子の発現制御領域を用いれば,目的の遺伝子を癌細胞だけに発現させることができ,これを遺伝子治療に応用すれば癌特異的な治療法の開発が可能である.本稿ではCEA遺伝子の転写制御部位を含めた構造,機能を概説し,筆者らが取り組んでいる肺癌に特異的な遺伝子治療への応用を紹介したい.
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