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臨床研究
残胃機能からみた胃癌に対する中央胃切除術の評価
著者: 佐野圭二1 伊関丈治1 高木正和1 袴田光治1 中上和彦1 遠山和成1
所属機関: 1静岡県立総合病院外科
ページ範囲:P.1599 - P.1604
文献購入ページに移動リンパ節郭清を伴う幽門側胃切除術(distal gastrectomy,以下,DG)は胃癌に対する術式として確立され,特に早期胃癌に対して良好な遠隔成績を得てきた1,2).しかし術後経口摂取不良による低栄養状態の遷延や体重減少,ダンピング症候群など,術後合併症も少なからず見られている.その対策として,近年諸施設で幽門輪温存胃切除術(pylorus preserving gastrectomy,以下,PPG)が施行されているが3〜6),筆者らは幽門機能のみならず残胃容積をも可及的に温存するために,胃の肛門側切離端をできるだけ高位に設定し,可能なかぎり従来のリンパ節郭清のレベルを維持しながら幽門側残胃を温存する術式を考案した.このような術式を中央胃切除術(central gastrectomy,以下,CG)と呼称し,1992年7月より適応症例に施行している.
今回,筆者らはCGを施行した症例に対し数種の胃機能検査を行い,多角的に術後残胃機能を評価し,その有用性を検討した.
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