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文献詳細

雑誌文献

臨床外科52巻2号

1997年02月発行

特集 消化器の“前癌病変”と“ハイリスク病変”

Barrett食道

著者: 西巻正1 鈴木力1 藍沢喜久雄1 鈴木聡1 大日方一夫1 武者信行1 桑原史郎1 畠山勝義1

所属機関: 1新潟大学医学部第1外科

ページ範囲:P.155 - P.160

文献概要

 Barrett食道は食道腺癌の前癌病変でmetaplasia(腸型上皮)→dysplasia→carcinoma sequenceを経由して癌化すると考えられている.Dysplasiaは良性腫瘍性病変であるがhigh-grade dysplasiaはBarrett食道の悪性化を示唆する重要な病変である.最近,H-ras, p53,APC遺伝子異常がBarrett食道癌化の初期段階に生ずることが明らかにされ,Barrett食道悪性化の有用なマーカーとなる可能性がある.またBarrett上皮をレーザー焼灼し同時に制酸剤で胃液分泌を抑制すると,本来の食道上皮である扁平上皮が再生する場合があり新しい治療法として注目されている.High-grade dysplasiaに食道切除が必要か否かはまだコンセンサスが得られておらず今後の検討が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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