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文献詳細

雑誌文献

臨床外科52巻2号

1997年02月発行

文献概要

特集 消化器の“前癌病変”と“ハイリスク病変”

血清ペプシノゲン

著者: 松原康朗1 岡政志1 一瀬雅夫1 三木一正1

所属機関: 1東京大学医学部第1内科

ページ範囲:P.169 - P.172

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 血清ペプシノゲン(PG)ⅠおよびPG Ⅰ/Ⅱ比は胃粘膜萎縮の程度を反映する.萎縮性胃炎は胃癌の先行病変とされており,萎縮の程度を表すPGにより胃癌のハイリスク群をスクリーニングできることになる.切除された胃癌でのPG陽性率は65%で,分化型で陽性率が高い.PGの胃癌検診への応用では従来の間接X線法に比し遜色のない成果が得られている.しかしPG陰性癌もある割合で存在し,より効果的な検診にはX線法との併用などさらに検討が必要である.その他Helicobacter pyloriの除菌判定において早期の非侵襲的・簡便な指標として期待されている.最近のトピックスとしては胃癌肉眼型と血清PG値に相関が認められ,PG I値は陥凹型で高い傾向が,PG Ⅰ/Ⅱ比は隆起型癌で低い傾向がみられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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