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文献詳細

雑誌文献

臨床外科52巻2号

1997年02月発行

特集 消化器の“前癌病変”と“ハイリスク病変”

癌のハイリスク病変としての潰瘍性大腸炎

著者: 荘司康嗣1 楠正人1 池内浩基1 柳秀憲1 野田雅史1 山村武平1 宇都宮譲二1

所属機関: 1兵庫医科大学第2外科

ページ範囲:P.179 - P.184

文献概要

 潰瘍性大腸炎ulcerative colitis(UC)は大腸癌の高危険度群であり予防的大腸切除が提唱されたが,近年では癌に対する安易な予防的手術は行うべきでなく,7〜10年以上の病悩期間,全大腸炎あるいは左側大腸炎型の罹患範囲を考慮に入れた上でのsurveillance colonoscopyが必要であると考えられる.dysplasiaの分類においてhigh grade dysplasiaは多くが粘膜内癌と考えられるが,1ow grade dysplasiaが問題となる.K-ras突然変異やp53遺伝子変異などの研究がなされているが,明らかな腫瘍markerのない今日,surveillance colonoscopyによりdysplasiaあるいは早期癌での発見に努め,発癌の母地であり,抗原組織となる大腸粘膜の摘除を目的とした大腸全摘,回腸肛門吻合術を積極的に行うことが重要であると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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