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文献詳細

雑誌文献

臨床外科52巻2号

1997年02月発行

文献概要

特集 消化器の“前癌病変”と“ハイリスク病変”

腺腫様過形成

著者: 梅下浩司1 若狭研一2 門田守人1

所属機関: 1大阪大学医学部第2外科 2大阪市立大学医学部病理部

ページ範囲:P.193 - P.198

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 硬変肝の結節性病変,特にAH(adenomatous hyperplasia)については,「原発性肝癌取扱い規約(第3版)」(1992)により整理がなされ,その後International Working Party(1994)においてdysplastic noduleの名が与えられ徐々に普及しつつある.HCC(hepatocellular carcinoma)の存在する肝にはAHがしばしば共存すること,AHを追跡すると高率にHCCが発生することから,AHはHCCの前癌病変であると考えることができる.AHの画像での検出はしばしば困難であり,また,検出された場合にも早期のHCCとの鑑別が容易ではない.現在のところ針生検による組織診に頼らなければならない.AHと診断された結節に対しては厳重な経過観察を行い,HCCを疑わせる所見が出現した際には遅滞なく治療を行うことが肝要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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