icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科52巻2号

1997年02月発行

文献概要

特集 消化器の“前癌病変”と“ハイリスク病変”

膵・胆管合流異常と胆道癌

著者: 新井田達雄1 高崎健1 吉川達也1 吾妻司1

所属機関: 1東京女子医科大学消化器病センター外科

ページ範囲:P.209 - P.213

文献購入ページに移動
 膵・胆管合流異常と胆管癌について,両者の関連について209例の自験例から検討した.胆道癌は,54例(25.8%)に併存した.胆管の拡張形態によって胆道癌の発生部位に特徴があり,嚢腫状拡張型124例では,胆嚢癌11例(8.9%),胆管癌12例(9.7%)が併存した.円筒状拡張型47例では,胆嚢癌11例(23.4%),胆管癌2例(4.2%)が併存した。非拡張型38例では,癌の発生部位は,全例胆嚢で20例(52.6%)あった。膵・胆管合流異常を有する症例の胆管癌発生年齢は,膵・胆管合流異常非併存例に比べて10歳ほど若かった。膵.胆管合流異常に対する基本的術式として分流手術を上げ,さらに胆管非拡張例に対しては胆嚢摘出術のみでも良いとの結論を得ている.また,胆道癌併存例の治療成績は不良であり,膵・胆管合流異常は癌併存以前にこれを発見し適切な手術がなされるべきであると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?