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文献詳細

雑誌文献

臨床外科52巻2号

1997年02月発行

文献概要

特集 消化器の“前癌病変”と“ハイリスク病変”

膵管内腫瘍・粘液性嚢胞腫瘍

著者: 高橋利幸1 道家充1 奥芝俊一1 奥芝知郎1 森田高行2 藤田美芳2 宮坂祐司2 加藤紘之1

所属機関: 1北海道大学医学部第2外科 2北海道消化器科病院外科

ページ範囲:P.215 - P.219

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 膵管内腫瘍・粘液性嚢胞腫瘍の自験28例の診断,治療および病理学的特徴について述べた.本症の診断にはEUS, ERPが有用であった.また,近年新たに導人された膵管内視鏡,IDUSによる更なる診断能の向上が期待された.外科治療に当たっては機能温存を考慮した術式が適応されるべきであり,自験例に対しては胆道十二指腸温存膵頭部切除などの縮小手術を行い,全例再発なく,良好な結果を得た.本症は膵前癌病変として注目されているが,その病態,浸潤性嚢胞腺癌との相違などにはいまだ不明の点も多く,腫瘍化,癌化とKi-ras点突然変異,p 53過剰発現などに関する分子生物学的解明が今後の重要課題である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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