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文献詳細

雑誌文献

臨床外科52巻3号

1997年03月発行

文献概要

外科医のための局所解剖学序説・8

胸部の構造 3

著者: 佐々木克典1

所属機関: 1山形大学医学部解剖学第1講座

ページ範囲:P.355 - P.364

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 Blalock-Taussigの手術が生まれたきっかけは,肺動脈狭窄を伴う先天的心疾患に副血行路が発達しており,それは肺動脈の血液量を確保するためであることに気づいたからだと学生時代に教わった.解決の糸口を生体自身が暗示していたことに深く感動した.
 Alfred Blalock,Helen B Taussigが先駆的な治療を行った例をJAMAに報告したのは1945年5月であった.しかしBlalockが最初に手術したのは1944年11月29日である.助手としてこの手術に参加したLongmire Williamはその時の印象を次のように述べている.“当時血管外科に必要なモダンな器具など一切なかった.ただ教授の意志決定だけがこの手術を遂行させたのである.開胸してみると,かつてみたことがないほど副血行路が発達し青黒い血で満たされていた.左肺動脈を縦隔で見出した後,鎖骨下動脈と吻合したが,決してやさしい手術ではなかった”.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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