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文献詳細

雑誌文献

臨床外科52巻4号

1997年04月発行

文献概要

特集 膵瘻の予防・治療のノウハウ

膵鉤部切除における膵液漏出,膵瘻とならないための工夫—膵鉤状突起,腹側膵の位置ならびに構成要素と関連して

著者: 高田忠敬1 安田秀喜1 天野穂高1 吉田雅博1 内田豊彦1 須田耕一2 高橋徹3

所属機関: 1帝京大学医学部第1外科 2順天堂大学医学部病理学 3東北大学加齢医学研究所病態臓器構築研究分野

ページ範囲:P.451 - P.457

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 膵液漏出,膵液瘻とならないための工夫には,切除部位の解剖学的位置関係を知る必要がある.膵鉤部は解剖学的用語ではなく膵頭の左下から上腸間膜静脈の背側に伸びる鉤状突起を指していると考える.膵頭と鉤状突起は腹側膵と背側膵が癒合し,膵頭では腹側膵が後部に,背側膵が前部に存在する.鉤状突起は腹側膵のみで構成されるものと,腹側膵が頭側約2/3を,背側膵が足側約1/3を構成する2つのタイプがある.両原基のdrainage ductであるWirsung管と分枝,Santorini管と分枝は,膵頭では後部と前部に走行している.鉤状突起では頭側はWirsung管の分枝が走行し,足側はSantorini管の分枝が走行している.これらの解剖学的特徴を理解することが合併症予防に最も大切である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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