icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科52巻4号

1997年04月発行

特集 膵瘻の予防・治療のノウハウ

膵生検における膵液漏出・膵瘻とならないための工夫

著者: 飯田俊雄1 川原田嘉文1

所属機関: 1三重大学医学部第1外科

ページ範囲:P.463 - P.469

文献概要

 膵生検は主に経皮的膵生検,内視鏡下膵生検,術中膵生検に大別されるが,合併症としての膵液瘻が主要な問題である.そこで膵液瘻を合併しやすい経皮的膵生検,および術中膵生検を文献的に集計し検討した.経皮的膵生検では超音波下生検616例,CT下生検314例,計930例の膵生検報告例中CT下で1例(0.11%)のみに膵液瘻を合併していた.手技的にはなるべく細径針を使用し,迅速,的確な生検で膵液瘻のみならず合併症全般の発生率が低くなっている.また術中膵生検では,1,334例の膵生検報告例中19例(1.4%)にみられ,経皮的膵生検例より高率であった.当科の膵腫瘤摘出術を含む18例中2例に膵液瘻が認められた.核出術や生検の場合には生検終了後セクレチン静注により膵液の漏出の有無を確認し,フィブリン糊製剤を塗布し膵液瘻合併の予防が重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら