文献詳細
特集 膵瘻の予防・治療のノウハウ
文献概要
膵生検は主に経皮的膵生検,内視鏡下膵生検,術中膵生検に大別されるが,合併症としての膵液瘻が主要な問題である.そこで膵液瘻を合併しやすい経皮的膵生検,および術中膵生検を文献的に集計し検討した.経皮的膵生検では超音波下生検616例,CT下生検314例,計930例の膵生検報告例中CT下で1例(0.11%)のみに膵液瘻を合併していた.手技的にはなるべく細径針を使用し,迅速,的確な生検で膵液瘻のみならず合併症全般の発生率が低くなっている.また術中膵生検では,1,334例の膵生検報告例中19例(1.4%)にみられ,経皮的膵生検例より高率であった.当科の膵腫瘤摘出術を含む18例中2例に膵液瘻が認められた.核出術や生検の場合には生検終了後セクレチン静注により膵液の漏出の有無を確認し,フィブリン糊製剤を塗布し膵液瘻合併の予防が重要である.
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