文献詳細
文献概要
特集 サイトカインからみた周術期管理
術後SIRSとサイトカイン
著者: 小川道雄1
所属機関: 1熊本大学医学部第2外科
ページ範囲:P.567 - P.572
文献購入ページに移動 手術侵襲の程度に応じて,術後SIRSが発生する.SIRS状態が持続するほど,術後合併症が発生しやすい.SIRSは炎症性サイトカインの誘導による高サイトカイン血症であり、生体が手術侵襲に反応している状態である.SIRS状態において感染などを合併すると,臓器不全が発症しやすい.したがって術後SIRS状態にあっては,SIRSからの早期離脱をはかるとともに,感染などのsecond attackを避けるように努めることが,術後管理に際して何よりも大切である.最近SIRSとは正反対の,抗炎症性サイトカインの誘導によるCARSという病態が存在することが指摘された.術前の治療によっては術後にCARS状態となっている可能性も考慮する必要がある.
掲載誌情報