icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科52巻5号

1997年05月発行

文献概要

特集 サイトカインからみた周術期管理

食道癌術後のサイトカインの変動

著者: 標葉隆三郎1 里見進1

所属機関: 1東北大学医学部第2外科

ページ範囲:P.583 - P.589

文献購入ページに移動
 食道癌手術の周術期には,高サイトカイン,高ホルモン血症の病態となっており,サイトカインの産生によって顆粒球を初めとする種々の細胞が活性化される.サイトカインは生体防御反応や組織修復に重要であるが,過剰なサイトカインの産生は,正常な細胞を傷害し,臓器傷害をまねく.術前ステロイドの投与は,臨床的にはサイトカインやホルモンの過剰な産生を抑制し,水分電解質バランスを改善し循環動態を安定させ,不整脈の発生を減らす.また,手術侵襲モデルにおいて,ステロイドの投与には至適な時期や量があり,著明にサイトカインの産生を減らすばかりでなく,肺胞や腹腔macrophargeの活性化を抑制する.サイトカインの産生を含めて手術侵襲に伴う生体反応を軽減することは周術期管理を容易にし,手術適応や術式を拡大することが可能になる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?