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文献詳細

雑誌文献

臨床外科52巻5号

1997年05月発行

文献概要

特集 サイトカインからみた周術期管理

重症急性膵炎時の多臓器不全とサイトカイン

著者: 林田博人1 村田厚夫2 樽井武彦1 金成弼1 渡辺康則1 加藤健志1 北川和則1 門田守人1 松浦成昭3

所属機関: 1大阪大学医学部第2外科 2兵庫県立西宮病院外科 3大阪大学医学部保健学科病理

ページ範囲:P.591 - P.596

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 重症急性膵炎は多臓器不全を伴う全身疾患である.かつては逸脱酵素の作用により遠隔臓器に炎症が波及すると考えられたが,近年生体防御に果たすサイトカインの役割解明が進み,逸脱酵素に代わって有力視されるようになった.膵で誘導された炎症性サイトカインはSIRSをもたらすとともに白血球,血管内皮細胞の活性化を促進し,肺をはじめとする遠隔臓器に炎症細胞が集積する,しかしここから先は未だ解明されていない,集積した炎症細胞が活性化されて,二次的炎症がはじまり,ある時点で破綻して臓器障害に至ると考えられているが,その過程は推測の域を出ない,従来の一元的な好中球障害説に加え,巣球が関与する可能性をわれわれの動物実験に基づいて考察する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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