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文献詳細

雑誌文献

臨床外科52巻5号

1997年05月発行

文献概要

特集 サイトカインからみた周術期管理

肝移植術後のサイトカイン変動

著者: 原田裕久1 若林剛1 島津元秀1 北島政樹1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部外科

ページ範囲:P.605 - P.609

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 肝移植術後に出現し得る再灌流障害,拒絶,感染などの合併症にはいずれも炎症性サイトカイン,炎症抑制性サイトカンが大きく関与しており,術後のサイトカイン変動を検討することは病態を把握し,予測するために非常に意義深いことと思われる.自験例での検討では,サイトカインは免疫抑制下にもかかわらず臨床経過に対応して血中で変動し,とくにIL-1raは侵襲に,IL-8は感染に対してよく相関した.今後,拒絶の際の動態をも含めた肝移植後の血中サイトカイン動態の解析は,早期治療に直結した新しい非侵襲的診断法となり得る可能性を持ち,また臨床経過を正確に理解するうえでも非常に有意義である可能性が示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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