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文献詳細

雑誌文献

臨床外科52巻5号

1997年05月発行

文献概要

特集 サイトカインからみた周術期管理

蛋白分解酵素阻害薬による手術侵襲軽減の試み

著者: 小野聡1 青笹季文1 望月英隆1

所属機関: 1防衛医科大学校第1外科

ページ範囲:P.617 - P.621

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 高度侵襲手術である食道癌手術の侵襲軽減を図るため術前からprotease inhibitorの投与を行い,SIRS(systemic inflammatory response syndrome)診断基準項目およびサイトカイン値(IL-6,IL-8)の推移からその効果を検討した.その結果,術前からprotease inhibitorを投与した群では脈拍数が有意に低値で推移し,呼吸数も第3病曰で有意に少なかった.また術後SIRSからの離脱が早く,術中、術後の血中IL-6値は有意に低値で推移し,第3病日のIL-8,CRP値も低値を示した.したがって術前からprotease inhibitorの投与を開始することによって,手術侵襲の軽減を図ることができる可能性が示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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