文献詳細
カラーグラフ 内視鏡下外科手術の最前線・30
大腸
文献概要
はじめに
腹腔鏡下手術は胆摘術をはじめとして,種々の消化器疾患に応用されるようになった1).なかでも大腸は後腹膜から剥離し十分に授動すれば,小さな皮切で容易に腔外に露出し,切除・吻合を行うことができる2〜4).また,大腸は血管系も単純なため,腹腔鏡下に動静脈を処理することも比較的容易である.したがって,腸疾患は腹腔鏡下手術の良い適応と考え,筆者らは172例の各種腸疾患に対して本法を施行した.しかし,S状結腸下部や直腸の病変に対しては,少なくとも肛側腸管の切離と吻合を腹腔鏡下に行ういわゆる前方切除が必要である.前方切除は様々な腹腔鏡下腸切除の中でも難易度が高く,高度な手技と各種器械の応用力が要求される.
本稿では前方切除の適応,方法および留意点などについて筆者らの経験をもとに詳述する.
腹腔鏡下手術は胆摘術をはじめとして,種々の消化器疾患に応用されるようになった1).なかでも大腸は後腹膜から剥離し十分に授動すれば,小さな皮切で容易に腔外に露出し,切除・吻合を行うことができる2〜4).また,大腸は血管系も単純なため,腹腔鏡下に動静脈を処理することも比較的容易である.したがって,腸疾患は腹腔鏡下手術の良い適応と考え,筆者らは172例の各種腸疾患に対して本法を施行した.しかし,S状結腸下部や直腸の病変に対しては,少なくとも肛側腸管の切離と吻合を腹腔鏡下に行ういわゆる前方切除が必要である.前方切除は様々な腹腔鏡下腸切除の中でも難易度が高く,高度な手技と各種器械の応用力が要求される.
本稿では前方切除の適応,方法および留意点などについて筆者らの経験をもとに詳述する.
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