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文献詳細

雑誌文献

臨床外科52巻6号

1997年06月発行

特集 輸血後GVHDをめぐる諸問題

輸血後GVHD治療の可能性

著者: 安川正貴1

所属機関: 1愛媛大学医学部第1内科

ページ範囲:P.719 - P.723

文献概要

 輸血後GVHDに対しては,その予防対策を全国的規模で講じることが急務であるが,現時点では治療法の開発も重要な点乱である.輸血後GVHDの確立された治療法はないが,受血者同種抗原に対する供血者由来細胞傷害性T細胞(CTL)の機能抑制に焦点を当てるべきである.CTLの機能抑制には,抗原認識阻害,細胞内シグナル伝達抑制,細胞傷害機構の阻害などの可能性が考えられる.ほとんどの症例における直接死因は骨髄抑制による敗血症であるため,無菌室での治療やG—CSFの早期投与も重要である.輸血後GVHDの治療においてきわめて重要な点は,できる限り早期に診断し,強力なT細胞免疫抑制療法を実施することであると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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