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文献詳細

雑誌文献

臨床外科52巻6号

1997年06月発行

文献概要

特集 輸血後GVHDをめぐる諸問題

輸血後GVHDを防ぐための対策—自己血輸血

著者: 新名主宏一1 前畠良智1 下野治子1

所属機関: 1鹿児島大学医学部附属病院輸血部

ページ範囲:P.725 - P.729

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 自己血輸血療法の患者サイドの第一義的利点は,輸血後GVHDをはじめとした同種血輸血副作用の回避であることは論を待たないが,それと同等,あるいはそれ以上に大きな利点として,自己血は貴重な自己資源であり患者自身が主体であることに由来する克病心の高揚,そして,唯一無二の安全性に由来する術後合併症の軽減という2つの要素を背景とした“周術期患者のquality oflifeの向上”という点を強調したい.この点が強調される限り,同種血の安全性がいかに高まろうとも,本邦における自己血輸血療法は自然医療としてさらに定着していくものと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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