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臨床研究
高速らせんCTを用いた腹腔鏡下胆嚢摘出術の術前難易度の検討
著者: 權雅憲1 乾広幸1 今村敦1 上辻章二1 上山泰男1
所属機関: 1関西医科大学第1外科
ページ範囲:P.771 - P.774
文献購入ページに移動腹腔鏡下胆嚢摘出術(以下,LC)はその根治性と入院期間の短縮と早期の社会復帰,術後の疼痛と不快感の軽減,美容的な効果などの利点を持つことから,胆嚢摘出術の標準術式となっている1).術前胆道造影法としては,経静脈性胆道造影(以下,DIC)や内視鏡的逆行性胆道造影(以下,ERC),経皮経肝胆道造影などがあるが,低侵襲との観点からはDICが最も簡便である.大橋ら2)はDICを用いて,LCの術前難易度を評価し,その有用性を報告している.しかし,DICは簡便であるが,胆管描出能には限界があり,ERCは描出に優れるが,LCの術前検査としては侵襲が大きい.
高速らせんCT(スパイラルCT;以下,SCT)は従来のCTではオーバーラップスキャンでしかできなかった間隙のない広範なスキャンが1回の呼吸停止で可能となり,造影スキャンの場合には短時間で均一な造影効果の高い撮影ができる.また任意の位置での多断面画像再構成ができるため,小さな病変をスライスの中心にしたパーシャルボリューム効果の少ない画像が得られる.さらに軸位方向の分解能と連続性がよいため多断面再構成像や高精度の3次元再構成像が得られるなどの利点を有している3).筆者らはDIC後にSCTを用いて,胆道を立体再構成し,LCの難易度との関連を検討した.
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