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特集 経腸栄養法—最新の動向
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肝臓は生体での代謝で中心的な役割をはたしている.このため肝障害では,エネルギー代謝,糖,蛋白・アミノ酸,脂質などの代謝に異常を生じる.とくに慢性肝障害では脂肪の燃焼の増加と骨格筋の崩壊によって,体脂肪量と骨格筋蛋白量が減少する.また芳香族アミノ酸代謝の異常が肝性脳症の一因とも言われる.経腸栄養は,このような慢性肝障害患者の蛋白—カロリー不足を是正する.また肝不全用経腸栄養製剤による肝性脳症発症予防効果も示唆されている.しかし,多彩な原因による肝障害での経腸栄養管理については,なお一層の綿密な臨床比較検討が必要である.
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