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文献詳細

雑誌文献

臨床外科52巻7号

1997年07月発行

特集 経腸栄養法—最新の動向

特殊病態下における栄養法 ④悪性腫瘍(メサイオニン)

著者: 久保田哲朗1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部外科

ページ範囲:P.899 - P.903

文献概要

 メサイオニンは必須アミノ酸であり,重要なメチル供与体である.腫瘍細胞の多くはover-methylationの状態にあり,メサイオニンの欠乏は直接的に腫瘍の増殖を抑制する.AO-90はメサイオニン欠乏輸液であり,5-fluorouracil,mitomycin Cとの併用により進行・再発胃癌に対して26〜30%の奏効率を発現し,通過障害の改善などQOLの改善をもたらした.メサイオニン分解酵素は特異的にメサイオニンを分解するため,絶食することなく血清中および腫瘍中のメサイオニン濃度を低下させることが可能である.現在まで3症例に対する投与が行われ,安全性と血清中メサイオニンの有効な低下が確認された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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