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遺伝子治療の最前線・1【新連載】
遺伝子治療の現状
著者: 島田隆1
所属機関: 1日本医科大学第2生化学
ページ範囲:P.927 - P.930
文献購入ページに移動 遺伝子治療は遺伝病の治療法として古くから考えられてきた.実際の臨床試験はアデノシンデアミナーゼ(ADA)欠損症の治療法として1990年に米国で開始された.その後,遺伝子治療は癌やエイズの治療法としても試みられるようになり,これまでに1,500人以上の患者に対し遺伝子が導入されている.しかし,このように多くの臨床試験が行われているにもかかわらず,その有効性が確認された例はまだ少ない.これまでの臨床研究で重篤な副作用は報告されていないが,臨床効果を得るためには,まだ多くの技術的問題があることが明らかになっている.今後,遺伝子治療が有効な治療技術として発展していくためには,まだ多くの基礎研究が必要である.本稿では現在,米国を中心に進められている遺伝子治療臨床研究のこれまでの経過および現状につき概説する.
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