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文献詳細

雑誌文献

臨床外科52巻8号

1997年08月発行

文献概要

特集 Q&A 自動吻合器・縫合器の安全,有効な使い方

(Q1)自動吻合器のアンビルサイズならびに自動縫合器のサイズをどのように決めるか.

著者: 宇田川晴司1 鶴丸昌彦1 梶山美明1

所属機関: 1虎の門病院消化器外科

ページ範囲:P.991 - P.993

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自動吻合器(EEA®)のアンビルサイズ決定
 「EEA®(オートスーチャージャパン)のアンビルサイズ」とは21,25,28,31,34とそろったEEA®のカートリッジ外径を示し,ステイプルのサイズは同一で,アンビルと本体の間隙幅によるステイプルの締め具合はEEA®本体に表示される安全域内で可変である.基本的に消化管吻合部の内径は可及的に大きくあるべきだとすれば,アンビルサイズを決定するのはアンビルの通る臓器のサイズと本体の通る臓器のサイズの2つである.EEA®25ではカートリッジの小ささのために,集束結紮した余剰組織が縫合線に迷入する危惧を感じることもあり,極力28以上のサイズを使うように心がけている.
 以下,胃全摘術後の食道空腸吻合を例にとって解説する.筆者らの1,135例の胃全摘,噴門側胃切除例に伴う食道空腸吻合の経験(1979年2月〜1995年12月)では,EEA®25が173例15.2%に,EEA®28が959例84.5%に,EEA®31が3例0.3%に使用された.最近の10年間(表1)ではEEA®25を使用したのは695例中77例11%で,EEA®25使用の理由の記載を検討すると,少なくとも12例16%において,食道断端口径ではなく空腸への本体の挿入困難が理由とされている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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