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特集 Q&A 自動吻合器・縫合器の安全,有効な使い方
(Q6)自動吻合器使用時,締め込みノブを回して吻合する腸管を密着させるが,締め込みノブを締めすぎないほうが良いのか.また,ファイア操作は締めすぎないほうが良いのか.
著者: 亀岡信悟1 板橋道朗1
所属機関: 1東京女子医科大学第2外科
ページ範囲:P.1002 - P.1004
文献購入ページに移動安全な器械吻合を行うためには各々の器械の構造と特徴を理解することが肝要である.現在繁用されている自動吻合器は,エチコンエンドサージェリー社のILSとオートスチャージャパン社のPPCEEA®であろう.この2機種はほぼ同様の機構で成り立っているが,細部では異なっている.
吻合腸管を密着させる締め込みノブは,いずれもネジによる回転式である.締め込みの表示もほぼ同様で,適正な締め込みはガップセッティングスケール内にインジケターが表示される(図).ILSでは,締め込み程度に若干の幅が与えられている(2.5〜1.0mm).吻合される腸管の厚みは均一ではなく,浮腫や肥厚を伴う部位でやむをえず吻合する場合には,状況により締め込み程度を変える必要があるからである.吻合する部分の組織が異常に厚くあるいは薄く見える場合には,術者の判断により,吻合に適切な程度に組織が圧縮されるまで回転により調節を行う.一方,PPCEEA®では,締め込みノブの締め具合に関係なく一律に2.0mmの設定となっている.ファイア操作はセーフティを解除して行うが,いずれの吻合器も適正範囲内に締め込みノブが締め込まれていないときは,セーフティが解除できない構造となっている.
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