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文献詳細

雑誌文献

臨床外科52巻8号

1997年08月発行

文献概要

特集 Q&A 自動吻合器・縫合器の安全,有効な使い方

(Q8)自動縫合器使用時,余ったステイプルが腹腔内に落ちないようにする工夫は.

著者: 吉野肇一1

所属機関: 1東京歯科大学市川総合病院外科

ページ範囲:P.1008 - P.1008

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 アンビル側にグリセリン等の粘性のあるものを塗布して,組織にかからないステイプルをアンビルにくっ付けてしまうとか,術野にガーゼを敷いたその上で縫合器を使用するなどの工夫がされている.なお,チタニウムは磁性が弱いので,磁石で吸着することはできない.
 このような遊離ステイプルは,臨床上,大きな障害にならないものと理論的ないし経験上考えている.理由は,現在のステイプルの材質はチタニウムまたはチタニウム合金で,生物学的な活性は低く,かつ,ファイア後B字型となり,鋭的な局面はなく,人体に直接的な悪影響を及ぼす可能性がきわめて低い,実際に遊離したステイプルによる障害を認めたことがない,などである.また,CTやMRIの画像への影響もほとんどないか,あってもごくわずかである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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