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特集 Q&A 自動吻合器・縫合器の安全,有効な使い方
(Q9)自動縫合器使用時,切離断端から出血が見られた場合どうするか.また切離断端の補強はどうするか.
著者: 吉野肇一1
所属機関: 1東京歯科大学市川総合病院外科
ページ範囲:P.1009 - P.1009
文献購入ページに移動 切離断端からの出血に対して,まず留意すべきことはその予防である.直線状の片側閉鎖型自動縫合器(TA®1),ロティキュレーター®1)),リニヤーステイプラー2),アクセス2))では,ファイア後,腸管の切離操作が行われるが,切離後,術野の邪魔になるので,すぐに縫合器を外すことが一般的である.しかし,ここで縫合器を数分間そのままにしておくと,断端を軽度に圧迫していることになり,断端からの出血の予防にきわめて有効である.これらの縫合器はファイア後も1mm以上の間隔が保れているので,このような操作により断端部が壊死に陥ることはない.両側縫合式の自動縫合器(GIA®1),リニヤーカッター®2))では,切離と同時に縫合器の腸管から自動的に外れてしまうので,このような操作はできない.
断端からの出血に対して最も安全な止血法は圧迫であるが,これでも止まらないときは針糸による縫合止血ないし,バイポーラ電気メスをステイプルに触れないように電気凝固するとよい.バイポーラ式ではない,一般的な電気メスによる凝固は,断端部の多くのステイプルに熱が伝導されるおそれから,禁忌とされている.なお,チタニウムの通電性は低い.
断端からの出血に対して最も安全な止血法は圧迫であるが,これでも止まらないときは針糸による縫合止血ないし,バイポーラ電気メスをステイプルに触れないように電気凝固するとよい.バイポーラ式ではない,一般的な電気メスによる凝固は,断端部の多くのステイプルに熱が伝導されるおそれから,禁忌とされている.なお,チタニウムの通電性は低い.
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