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文献詳細

雑誌文献

臨床外科52巻8号

1997年08月発行

文献概要

特集 Q&A 自動吻合器・縫合器の安全,有効な使い方

(Q10)頸部吻合で自動吻合器本体を挿入するために胃管を切開する部位はどこが良いか.また自動吻合器を使う場合,胃管の距離が足りず吻合しにくい時の対応は.

著者: 三吉博1

所属機関: 1帝京大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1010 - P.1011

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頸部吻合で自動吻合器本体を挿入するために胃管を切開する部位としては,どこが良いか
 器械吻合のために自動吻合器を胃管内へ挿入する際の切開部位としては,理論的には胃管の前壁,後壁,小彎側,大彎側,それに胃管先端の5か所が考えられる.しかし頸部に挙上した後の限られた術野での吻合を考慮した場合,後壁からの吻合器挿人は操作の面で難がある.また大彎側に吻合器挿入のための切開部を設けると胃管の栄養血管である右胃大網から短胃動静脈系への血行を遮断するかたちとなる.したがって,吻合器挿入ルートとしては上記以外の前壁,小彎側,または胃管先端部が推奨されるのは明らかである.
 これら3つのルートのうち,現在筆者らは小彎側からのルートを選び,形成胃管作製時の自動縫合器の最口側のステイプラーを数針外して,これを吻合器の挿入部位としている.前壁または胃管先端部を用いないのは,新たに切開部を設けることが手技的に繁雑であること,および胃管大彎側からの流入血行を維持する胃壁内の血管ネットワーク1)を,新たな切開によりさらに障害しないためである.自動吻合器挿入部位は吻合終了後,再び自動縫合器によって閉鎖される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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