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文献詳細

雑誌文献

臨床外科52巻8号

1997年08月発行

文献概要

特集 Q&A 自動吻合器・縫合器の安全,有効な使い方

(Q13)吻合部位が頸部食道高位となる場合の吻合法は.

著者: 小堀鷗一郎1 清水利夫1 露久保辰夫1 田辺友紀男1 上村志伸1

所属機関: 1国立国際医療センター外科

ページ範囲:P.1018 - P.1019

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 最初に明らかにしておくべきことは,頸部食道高位とはどの程度の高さを指すかという点である.ここでは,輪状咽頭筋に切開などの手術操作が及ぶような,稀にしか経験しないような事例ではなく,気管,喉頭が術野を狭くして,吻合操作を困難にする,通常の症例を念頭において述べることとする(図1,2).
 頸部食道高位吻合の場合,胸壁前経路以外における第一選択は手縫い吻合と考える.その理由は,胃管に吻合する頸部食道の長さが十分でないため,アンビルを挿入,縫着した際食道壁に過剰に伸展が加わり,吻合操作中にとくに縫着糸周辺における損傷が危惧されるためである.手縫い縫合の場合は,3または4ゼロ吸収糸を用いたGambee一層縫合を行っている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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