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文献詳細

雑誌文献

臨床外科52巻8号

1997年08月発行

文献概要

特集 Q&A 自動吻合器・縫合器の安全,有効な使い方

(Q20)DST(ダブルステイプリング法)の際,直腸断端部のセンター・ロッドの貫通部位は.

著者: 中越享1 澤井照光1 辻孝1 綾部公懿1

所属機関: 1長崎大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1036 - P.1037

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 直腸癌低位前方切除術におけるdouble sta-pling technique(DST)による再建術での術中トラブルの一つに,サーキュラーステイプラーで打ち抜く部位に関するものがある.直腸断端部においてセンターロッドのトッロカーを直腸壁に貫通させる際,前後方向にはリニヤー・ステイプル・ラインの前壁か後壁か,ないしはリニヤー・ステイプル・ラインそのものに貫通させる3通りの方法があり,左右方向にはドッグイヤーを両側に残すようにする場合と,ドッグイヤーを片側にのみ残す場合の2通りの方法がある.筆者らの教室での直腸癌前方切除術における170例のDST症例のうち,トロッカー貫通部位に関する術中・術後トラブルは6例(3.5%)であった.そのすべてがリニヤー・ステイプル・ラインの前壁か後壁か,またはリニヤー・ステイプル・ラインそのものに貫通させるかの問題で生じたトラブルであって,左右方向すなわちドッグイヤーの残し方で生じたトラブルはないので,以下,トッロカー貫通部位がリニヤー・ステイプル・ラインの前壁・後壁・ラインそのもののいずれが最良かについて述べる.
 筆者らの教室では1986年にDSTを開始したが,当初はリニヤー・ステイプル・ラインの前壁にセンターロッドを貫通させていた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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