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文献詳細

雑誌文献

臨床外科52巻8号

1997年08月発行

文献概要

特集 Q&A 自動吻合器・縫合器の安全,有効な使い方

(Q21)Double Stapling Anastomosis(DSA)でのdog earの処置法は.

著者: 森田隆幸1 小田桐弘毅1 今充2

所属機関: 1弘前大学医学部第2外科 2財団法人双仁会厚生病院

ページ範囲:P.1038 - P.1039

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 Double stapling anastomosis(DSA)で吻合を行う場合,長短の差こそあれ吻合部両端にdogearが形成される.臨床的に問題となるのは,①直腸内に遊離した癌細胞がこの部分に閉じ込められ吻合部再発を助長することはないのか,②断端のstaple lineから出血をきたすことはないのか,③縫合不全の原因になることはないのか,という懸念である.
 DSA普及後数年たっが,現在まで吻合部再発が増加したという報告はみられず,同部への癌細胞の遺残は稀なものと思われる.また,直腸断端のstaple lineからの出血はoozing程度のものが大部分であるが,直腸間膜を一部巻き込んでいる場合は注意を要する.筆者らは予防的な意味で両端に1針ずつZ型縫合をおき対処している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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