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特集 甲状腺と上皮小体の外科—最近の進歩
甲状腺癌の予後(生存時間)の推定
著者: 野口志郎1
所属機関: 1医療法人野口病院
ページ範囲:P.1131 - P.1135
文献購入ページに移動 悪性腫瘍や死亡率の高い慢性疾患では,患者や患者の家族,医師にとって最も関心があるのは,予後すなわち生存時間である.予後を数字あるいは段階で表現できれば好都合である.予後分類法の基本的考え方は,理論的に予後を推測するのではなく,現実の予後調査に基づいた生存データをもとに予後因子を探し出し,それらの相互関係を明らかにして新しい分類法を作るほうが合理的であるとの考え方である.今までに借界各国で発表されている甲状腺癌の予後因子は必ずしも一致していない.ほとんどの報告で一致しているのは,年齢,腫瘍の最大径ないし大きさ,甲状腺被膜外への浸潤であり,遠隔転移の有無もその点について記述してある場合には一致している.予後因子にならないとした論文の中には症例数が少ないために単に統計的有意差を見いだせなかったものも含まれていると思われる.
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