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文献詳細

雑誌文献

臨床外科52巻9号

1997年09月発行

文献概要

特集 甲状腺と上皮小体の外科—最近の進歩

遺伝性髄様癌におけるRET遺伝子検索

著者: 北村裕1 清水一雄1 田中茂夫1

所属機関: 1日本医科大学第2外科

ページ範囲:P.1137 - P.1142

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 遺伝性甲状腺髄様癌は常染色体優性遺伝形式を示すMEN2A, NEN2BおよびFMTCに分類される.遺伝性髄様癌診療の中心的問題である家系内保因者のスクリーニングは,従来calcitonin誘発試験により行われてきたが,近年RET遺伝子の異常がこれらの疾患の原因であることが判明し(MEN2AとFMTCではcodon609, 611,618,620,634,MEN2Bではcodon918のmissense mutationが代表的),遺伝子診断が導入された.遺伝子診断は信頼性が高く,一度の採血で済み,保因者に加えて非保因者も確実に診断できるなど,きわめて優れた検査法である.しかし遺伝子診断の施行にあたっては医療面以外の問題も含まれ,遺伝性疾患を取り巻く社会環境の整備が強く望まれる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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