icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科52巻9号

1997年09月発行

文献概要

特集 甲状腺と上皮小体の外科—最近の進歩

腎性上皮小体機能亢進症の手術のタイミング

著者: 舟橋啓臣1 冨永芳博2 田中勇治1 今井常夫1 高木弘1

所属機関: 1名古屋大学医学部第2外科 2名古屋第2赤十字病院移植外科

ページ範囲:P.1159 - P.1162

文献購入ページに移動
 高度な腎性上皮小体機能亢進症に対し,現在では術前に何らかの内科的治療が施されていることが多い.そのため病態は複雑化し,典型的な症例は減少する傾向にある.組織学的に二次性過形成の上皮小体は,diffuse typeとnodular typeに分類される.Nodular typeの腺では,ビタミンD受容体の数は減少し,各結節はmonoclonalな増殖を呈しており,その結果内科的治療,とくにビタミンDパルス療法にも反応しないと推察される.さらに摘出標本を検討すると,500mg以上に腫大した腺の85%はnodular typeであった.そのため超音波検査などの画像診断により腫大した上皮小体の重量が500mg以上であると推測できる場合には,骨回転が亢進していることを確認した上で,他臓器への異所性石灰化が進行する前に上皮小体摘出術を行うべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?