icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科53巻1号

1998年01月発行

文献概要

特集 胆道ドレナージを考える 4.内瘻か,外瘻か

胆道内瘻ドレナージ

著者: 松永浩明1 難波江俊永1 新山秀昭1 高畑俊一1 宇都宮成洋1 横畑和紀1 千々岩一男1 田中雅夫1

所属機関: 1九州大学医学部第1外科

ページ範囲:P.47 - P.51

文献購入ページに移動
 閉塞性黄疸の非観血的胆道ドレナージ法には外瘻法と内瘻法がある.内瘻法の適応は手術不能の膵,胆道悪性腫瘍に対する永久的ドレナージや胆管結石による急性閉塞性(化膿性)胆管炎,一期的に胆石除去が施行できない大結石や多数の結石症例である.内瘻法の利点は,外瘻のような大量の体液の喪失がないこと,腸管内に肌汁が流人するため脂質の消化吸収障害や空腹期の消化管運動障害がないことがあげられる.さらに内瘻法では肝切除後の肝再生能も外瘻法より良好で,腸内細菌の増加や腸管粘膜の損傷を起こしにくいためエンドトキシン血症予防にもつながるとされる.閉塞性黄疸の胆道ドレナージには胆汁の腸肝循環を保つことが可能な内瘻化が望ましい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?