icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科53巻1号

1998年01月発行

臨床外科交見室

「グリソン一括処理」をめぐって

著者: 佐藤裕1

所属機関: 1福岡赤十字病院外科

ページ範囲:P.91 - P.91

文献概要

 肝切除はその一面において“出血との闘い”と言って過言ではない.従来より肝外傷に対する治療の一環として様々な止血法(集束結紮,組織充填,焼灼など)が考案され,これらが肝切除に際しての出血制御に臨床応用されてきた.また肝硬変を合併しその肝予備能が低下した患者においては,その予備能に見合った切除術式を行う必要がある.そこで,従来の非定型的切除や部分切除術に替わって登場したのが,幕内氏が提唱した「術中超音波検査を駆使した系統的亜区域切除術(US-guided subsegmentectomy)」であり,その臨床的有用性から広く普及している.
 かくのごとく,肝をその区域ないし亜区域のレベルで解剖学的に正しく“系統的に”切除するには,相応の経験と熟練したテクニックを必要とするのである.また,手術器械の面では,近年になり超音波メスやマイクロウェーブ凝固装置などが導入され,プリングル操作などを組み合わせることにより,実際に肝実質に切り込んでいく際の出血はかなり減少してきた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら