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文献詳細

雑誌文献

臨床外科53巻10号

1998年10月発行

文献概要

特集 胃癌術後補助化学療法をめぐって

高度進行胃癌における術後化学療法と抗癌剤感受性試験—prospective studyでの検討

著者: 磯部陽1 久保田哲朗2 窪地淳1 島田敦1 島伸吾1 北島政樹2

所属機関: 1国立病院東京医療センター外科・臨床研究部 2慶應義塾大学医学部外科

ページ範囲:P.1285 - P.1289

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 胃癌術後補助化学療法における抗癌剤感受性試験の有用性をprospectiveに検討するために,高度進行・再発胃癌の手術例28例にhistoculture drug response assay(HDRA)を行い,その結果に基づいて術後化学療法を行った.HDRAの判定可能率は86%で,MMC,5-FU,ADM,CDDPの4薬剤いずれかに対する感受性が陽性であった高感受性群は13例,すべてが陰性であった低感受性群は11例であった.高感受性群には陽性薬剤を投与し,低感受性群には標準的化学療法か無化学療法のいずれかを選択して両群の予後を比較した.高感受性群の50%生存期間は10.6か月で,低感受性群の5.5か月に比して良好であり(p=0.01),抗癌剤感受性試験により選択された補助化学療法が進行胃癌の術後生存期間を延長することが示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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