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文献詳細

雑誌文献

臨床外科53巻11号

1998年10月発行

文献概要

特集 縫合・吻合法のバイブル Ⅱ.組織別の縫合・吻合法

消化管の縫合・吻合

著者: 細田洋一郎1

所属機関: 1社会保険埼玉中央病院外科

ページ範囲:P.72 - P.78

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はじめに
 消化管を切除するということは必然的に再建が必要となる.再建に伴う技術として縫合(suture)と吻合(anastomosis)がある.縫合と吻合の違いは,「縫合」は主に消化管を閉鎖する手技できわめて広い意味を持ち,「吻合」は異なる消化管の内腔を交通させる手技と言えるであろう.したがって,縫合は吻合をも含む意味をもつことになる1)
 消化管吻合においては,時に致命的になる縫合不全(吻合部のリークならば吻合不全と言うべきかもしれない.幽門側胃切除術時のいわゆる小彎縫い込み,十二指腸の断端閉鎖などを含めれば縫合不全ということになる),狭窄,出血などの合併症を極力避けなければならない.合併症を起こしにくい縫合,吻合を行うためには,患者さんをより良い状態にもっていく全身管理,吻合部の治癒過程を十分理解した上での理にかなった吻合法,また治癒に大きな影響を与える縫合糸の問題など種々の要因が関係する.以下,消化管吻合の治癒機転,また縫合糸の問題にも多少触れ,器械吻合も含めた筆者らの行っている縫合法,吻合法について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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