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特集 縫合・吻合法のバイブル Ⅲ.部位(術式)別の縫合・吻合法 4.食道
食道切除後の手縫いによる下咽頭—結腸吻合
著者: 佐々木俊一1
所属機関: 1足利赤十字病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.151 - P.153
文献購入ページに移動はじめに
咽喉頭領域の手術,特に再建手術を必要とする症例においては実際の手技もさることながら,術後処置を含めて考慮しないと,せっかく精度の高い手術操作をしても術後経過が不良なものになってしまう場合がある.特に下咽頭・頸部食道癌は早期発見が困難である場合が多く,その結果として咽喉頭・食道全摘術が施行される症例が少なくない.この場合,摘出後の食道再建が必要で,今日代表的な方法としては種々の消化管を用いた再建が施行されている.喉頭を温存する術式を選択できる場合は音声喪失の心配はないが,喉頭を合併切除せざるをえない場合は当然音声喪失となる.この場合,食道再建時になんらかの形で音声獲得が可能であれば,術後患者のQOLはかなり向上する.
そこで本稿では,下咽頭—結腸の手縫いによる吻合の手技のみならず,術後管理を含め音声獲得が期待される手技を交えて述べる.
咽喉頭領域の手術,特に再建手術を必要とする症例においては実際の手技もさることながら,術後処置を含めて考慮しないと,せっかく精度の高い手術操作をしても術後経過が不良なものになってしまう場合がある.特に下咽頭・頸部食道癌は早期発見が困難である場合が多く,その結果として咽喉頭・食道全摘術が施行される症例が少なくない.この場合,摘出後の食道再建が必要で,今日代表的な方法としては種々の消化管を用いた再建が施行されている.喉頭を温存する術式を選択できる場合は音声喪失の心配はないが,喉頭を合併切除せざるをえない場合は当然音声喪失となる.この場合,食道再建時になんらかの形で音声獲得が可能であれば,術後患者のQOLはかなり向上する.
そこで本稿では,下咽頭—結腸の手縫いによる吻合の手技のみならず,術後管理を含め音声獲得が期待される手技を交えて述べる.
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