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文献詳細

雑誌文献

臨床外科53巻11号

1998年10月発行

文献概要

特集 縫合・吻合法のバイブル Ⅲ.部位(術式)別の縫合・吻合法 5.胃

十二指腸部分切除後の手縫いによる十二指腸—空腸吻合

著者: 今野弘之1 鈴木昌八1 中村達1

所属機関: 1浜松医科大学第2外科

ページ範囲:P.209 - P.210

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はじめに
 十二指腸の部分切除が行われるのは粘膜下腫瘍,カルチノイドなどの摘出,大腸癌,胆嚢癌の十二指腸浸潤,胆嚢十二指腸瘻,外傷性損傷などの場合である.実際には径2〜3cmにわたって切除した場合でも,十二指腸を十分脱転することにより,縫合閉鎖することが可能である.したがって,十二指腸部分切除後の十二指腸—空腸吻合の適応は腫瘍浸潤や炎症の波及のため,かなり広範囲に切除をしなければならない場合など,きわめて限られている.
 十二指腸も空腸も血行はきわめて良好であり,他の消化管吻合に比し十二指腸—空腸吻合による縫合不全は発生しにくい.しかし,ひとたび十二指腸の縫合不全が発生すると,きわめて重篤な状態に陥る可能性が高いため,細心の注意を払って吻合をする必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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