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特集 縫合・吻合法のバイブル Ⅲ.部位(術式)別の縫合・吻合法 8.肝・胆道
肝内胆管—空腸吻合
著者: 竜崇正1 木下平1 小西大1 井上和人1
所属機関: 1国立がんセンター東病院外科
ページ範囲:P.306 - P.308
文献購入ページに移動肝内胆管—空腸吻合は切除不能胆道癌のバイパス術であり,患者のQOL維持の面からも有用な方法である.左肝の部分切除により露出された胆管と空腸を吻合するLongmire法1),X線透視下に左肝管にチューブを挿入して,そのチューブを触知することにより容易に胆管に達するCameronら2)のmodified Longmire法,右の肝部分切除を施行して肝内胆管を露出して空腸と吻合するRagins3)法などが報告されている.しかしこれらの方法は末梢胆管との吻合なので手技が困難で,吻合口が狭く,また胆汁の生理的流れと逆になり胆管炎をきたしやすいなどの欠点がある.Bismuthら4)は肝下面から肝内胆管B3枝を露出して,腸管と吻合する方法を報告している.この方法は胆管を長く露出でき,広い吻合口が得られるなどの利点がある.中村ら5)もBismuthらの方法を行い,良好な結果を得ている.筆者ら6)は閉塞部に最も近い部分の胆管と吻合したほうが吻合効果もよく,胆管炎をきたしにくいと考えている.切除目的で開腹して切除不能となった症例が適応であり,筆者らは肝内胆管—空腸吻合と,切除不能病巣への術中照射を併用している.以下に筆者らの行っている方法を述べる.
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