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文献詳細

雑誌文献

臨床外科53巻11号

1998年10月発行

文献概要

特集 縫合・吻合法のバイブル Ⅲ.部位(術式)別の縫合・吻合法 9.膵・脾

膵実質の縫合

著者: 宮原成樹1 川原田嘉文1

所属機関: 1三重大学医学部第1外科

ページ範囲:P.319 - P.322

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はじめに
 膵縫合術は,(1)膵腫瘍,膵外傷,進行胃癌における膵合併切除など,種々の疾患に対する膵切離後の断端処理を行う場合,(2)島細胞腫瘍など主に膵の良性腫瘍に対する核出術や膵嚢胞の切除後,またはwedge biopsy後などに摘出創を閉鎖する場合,(3)術中の膵損傷時に止血と膵液瘻を防止する場合などに必要な手術手技であり,常に愛護的な操作を要する.
 膵は通常軟らかく,血流に富む臓器であり,膵管や膵実質の損傷あるいは阻血により膵液瘻や膵炎を起こす可能性がある.膵実質縫合において最も注意すべき点は切離端からの膵液の漏出を最小限にすることであり,このことが膿瘍形成や膵液瘻,さらには主要な血管の破綻による致命的な大出血を未然に防ぐことになる.また膵は後腹膜腔に存在するため,膵切離ならびに縫合は膵を十分に露出,授動し,術者の左手でこれを確実に把持し良好な視野の下で行うことが大切である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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