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文献詳細

雑誌文献

臨床外科53巻11号

1998年10月発行

文献概要

特集 縫合・吻合法のバイブル Ⅲ.部位(術式)別の縫合・吻合法 9.膵・脾

膵—空腸吻合—invagination法

著者: 上坂克彦1 二村雄次1 早川直和2 神谷順一1 梛野正人1 湯浅典博1 佐野力1

所属機関: 1名古屋大学医学部第1外科 2東海病院外科

ページ範囲:P.334 - P.336

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はじめに
 Invagination法(嵌入法)は膵—空腸を端々吻合・再建する吻合法である.本邦では膵頭十二指腸切除術(PD)の再建において,本法を用いたPD—Ⅱ B法がPD—Ⅱ A法に次いでよく行われている1).本法では膵断端そのものが空腸内に嵌入・埋没されるため,膵断端からのいかなる膵液の漏れも空腸内にドレナージされるという利点がある.その反面,膵断端部で空腸粘膜の欠損が生じ,消化液が直接膵断端に接するという欠点を有する.
 当科では1986年まではPDの際本法によって膵—腸吻合を行っていた.1987年からは膵管拡張のある症例には膵管—空腸粘膜吻合による端側吻合を,また膵管拡張のない症例には節付きチューブを用いた完全膵管外瘻による端側吻合を採用してきた.しかしながら現在でもinvagination法は代表的な膵—腸吻合法の1つであり,消化器外科医にとっては修得しておくべき技術である.以下,本稿では完全膵管外瘻によるinvagination法2,3)の手順や,そのポイントについて順に述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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