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文献詳細

雑誌文献

臨床外科53巻11号

1998年10月発行

特集 縫合・吻合法のバイブル

Ⅲ.部位(術式)別の縫合・吻合法 9.膵・脾

膵—空腸吻合—tube法

著者: 加藤紘之1 近藤哲1 平野聡1 近江亮1 安保義恭1 奥芝俊一1

所属機関: 1北海道大学医学部第2外科

ページ範囲:P.337 - P.339

文献概要

はじめに
 膵—空腸吻合に関する多くの論文が輩出しており,多くの議論がかわされてきた.いずれも各自が経験と慣れの中でコツを取得し,良好な成績をあげている.しかし今日なお,トピックスとして取り上げられ議論が尽きない事実は,臨床の現場ではなお問題をかかえており,さらなる工夫と対策が必要なことを物語っている1).ちなみに1997年日本膵切研究会(嶋田紘会長)におけるアンケート調査結果2)によれば,膵—空腸吻合に伴う縫合不全発生頻度は6〜8%であり,縫合不全が発生した場合の致死率は5〜18%である.この調査の膵—空腸吻合は3,281例を対象としており,死亡36例は1.1%に相当する.このような背景をふまえて,本稿では膵—空腸吻合—tube法について述べるが,ステントチューブは一時的ドレナージとして有用なのであって,吻合の基本はあくまでも膵管—空腸粘膜吻合であることをご理解願いたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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