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特集 縫合・吻合法のバイブル Ⅲ.部位(術式)別の縫合・吻合法 10.その他
膀胱—尿道吻合
著者: 中島淳1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部泌尿器科
ページ範囲:P.380 - P.382
文献購入ページに移動内尿道口の形成と吻合法は術後の尿失禁ならびに狭窄に関与する.前立腺摘除後の膀胱頸部はbladder neck preservationを施行しないときは大きく開いている.膀胱頸部縫縮の際,インジゴカルミン®を静注し,尿管口を確認すれば尿管カテーテルを挿入する必要はないが,本法に習熟するまでは尿管カテーテルを挿入することにより,不用意に尿管口を縫合閉鎖することが避けられる.膀胱頸部の6時の位置から2-0バイクリル®糸を用いた全層結節縫合により,小指の太さぐらいを目安としていわゆるテニスラケット状に膀胱頸部を縫縮する(図1).十分縫縮ができない時などはラケット作製時の縫合線を覆うように膀胱外膜を用いて2層目を追加する.ついで,12時の位置より4-0バイクリル®糸約6針にて内尿道口の粘膜を引き出し,外反させる(everting suture)(図1).これは膀胱—尿道吻合に際して,粘膜と粘膜がうまく合うようにするためである.尿道断端の1時,5時,6時,7時,11時に両端針付きの2-0バイクリル®糸をかけるが,骨盤底筋群にかからないように慎重に運針する.術者によってはまず膀胱に糸をかけ,その後尿道にかける場合や,4針あるいは6針により膀胱—尿道吻合する場合もある.
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