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文献詳細

雑誌文献

臨床外科53巻12号

1998年11月発行

文献概要

特集 肝癌治療のupdate Ⅰ.非手術的治療法の適応と限界

2.経皮的エタノール注入療法(PEI)

著者: 江原正明1 福田浩之1 吉川正治1 杉浦信之1 税所宏光1

所属機関: 1千葉大学医学部第1内科

ページ範囲:P.1401 - P.1405

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 過去15年間に小肝細胞癌245症例に経皮的エタノール注入療法(PEI)を施行した結果,PEIには以下の特徴がみられた.①侵襲が小さいため,重篤な肝不全例を除く大多数の肝細胞癌例に対し適応になる.②腫瘍径3cm以下の肝細胞癌に対し確実な腫瘍壊死効果を示し,治療後の局所再発は3年で4.7%と低率であった.③治療後の5年生存率は全例で54.2%であり,生存率に影響する因子として肝障害度が最大であった.主腫瘍の大きさ(2cm以下vs2.1〜3.0cm),組織分化度(高分化vs中・低分化)別では生存率に有意差がなかった.④治療後の肝内非治療部の再発率は初回治療時の腫瘍が単発で2cm以下では低かった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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