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文献詳細

雑誌文献

臨床外科53巻12号

1998年11月発行

特集 肝癌治療のupdate

Ⅱ.標準的手術療法の現況

1.肝予備力評価と肝切除術式の選択

著者: 宮原成樹1 山際健太郎1 川原田嘉文1

所属機関: 1三重大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1415 - P.1421

文献概要

 肝癌の外科的治療では,癌の進行度とともに肝予備力を的確に評価し,術後肝不全などの合併症をきたすことなく,かつ治癒切除を目的とした適切な術式を選択することが重要である.われわれは,肝切除範囲の決定にはICG R15を中心として,アシアロシンチ,さらに肝類洞壁細胞機能を重視し,ICG R15が20%未満,LHL15が0.9以上,HA値が100ng/ml未満であれば肝葉切除は安全に行えると考えている.しかし肝機能低下例では,このような広範肝切除には限界があり,肝切除の拡大をめざすために術前にPTPEを行うことも一つの方法である.また,開胸開腹下に肝脱転操作を行わず病巣に到達し,microwave coagulatorを用いての低侵襲肝部分切除は,術中出血量も少なく,安全,確実に癌の切除が可能であり周術期のQOLを良好としている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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