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文献詳細

雑誌文献

臨床外科53巻12号

1998年11月発行

文献概要

特集 肝癌治療のupdate Ⅱ.標準的手術療法の現況

2.肝部分切除・亜区域切除の適応と実際

著者: 今村宏1 島田良1 宮川眞一1 川崎誠治1

所属機関: 1信州大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1423 - P.1428

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 多くの症例に肝予備能の低下を伴う肝細胞癌に対して,系統的亜区域切除は合理的な解剖学的切除であり,その有効性は短期・長期双方の成績から支持される.過去の報告,およびわれわれの施設の症例での検討からは,区域切除以上の拡大切除による長期予後の改善は認められておらず,腫瘍が亜区域にとどまるような症例ではおそらく亜区域切除が標準術式であり,たとえ肝機能が良好であっても区域切除などの広範囲切除は第一選択の術式とはならないと考えられた.一方基準以下の肝機能不良例では部分切除の適応となるが,正しい切離方向を頻回に超音波で確認しながら肝離断を行い,腫瘍が切離面に露出しないよう手術を行うことが重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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