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文献詳細

雑誌文献

臨床外科53巻12号

1998年11月発行

特集 肝癌治療のupdate

Ⅱ.標準的手術療法の現況

3.肝区域切除・広範囲切除の適応と実際

著者: 嶌原康行1 佐藤誠二1 飯室勇二1 山本成尚1 山本雄造1 猪飼伊和夫1 森本泰介1 山岡義生1

所属機関: 1京都大学医学研究科消化器外科

ページ範囲:P.1429 - P.1434

文献概要

 肝細胞癌の外科治療の適応は,病変が確実に切除され,かつ残肝機能が十分保たれることであり,それが可能な術式を選択しなければならない.腫瘍因子からみた区域切除の適応は,H1以下,脈管侵襲はあっても二次分枝以下,肝内転移はIM1以下が一般的であるが,実際の症例では,定型的区域切除に加えて,他区域部分の追加切除,腫瘍栓摘出,血行再建,さらにアルコール注入やMCTの追加などを余儀なくされる場合が多い.葉切除以上の広範囲切除では,H2以上,IM2以上,脈管侵襲も一次分枝以上に及ぶ高度進行癌が適応となってくるが,定型手術の枠を超える症例がさらに多くなる.これらに対する積極的な外科治療の試みが全体としての治療向上に役立つと思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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