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文献詳細

雑誌文献

臨床外科53巻12号

1998年11月発行

特集 肝癌治療のupdate

Ⅲ.肝細胞癌外科治療の展開

1.腹腔鏡下肝切除術の現状と将来

著者: 若林剛1 大上正裕1 島津元秀1 上田政和1 北島政樹1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部外科

ページ範囲:P.1441 - P.1445

文献概要

 腹腔鏡下肝切除術は欧州を中心に1991年頃より施行され始め,本邦では現在数例の切除症例を経験している施設が20施設位あると推察される.腹腔鏡下肝切除術は技術的な難易度が高く,現時点では解剖学的切除は外側区域切除と左葉切除の報告が散見されるのみで,ほとんどは部分切除である.したがって,適応はきわめて限られるが,腹腔鏡下手術の技術的困難が克服できれば開腹手術に劣らない手術成績が期待できるはずである.しかし,本術式が広く普及するためには,手術手技上の工夫が必要であり,われわれは出血のコントロールを目的に肝門血行遮断と自動縫合器を用いて腹腔鏡下肝切除術を行っている.腹腔鏡下肝切除術は低侵襲かつ根治的に切除標本を得ることができ,将来的には外科的治療と内科的治療の中間に位置し,一定の普及を示すものと考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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